平成27年12月10日、品川区では、東京23区初の「おもてなし条例」が議員提案により制定されました。
品川区は長い年月を経て、おもてなしの心が根付いている地域です。
「品川のおもてなし」は、東京23区一だと思っています。
私は品川区が大好きで、区に誇りと愛着を持つ区民の1人です。
皆さんにとって、「おもてなし」とは、何でしょうか?
滝川クリステルさん(招致”Cool Tokyo”アンバサダー)が、2020年五輪東京招致のIOC総会のプレゼンテーションにおいて、
『それは、見返りを求めないホスピタリティの精神、それは先祖代々受け継がれながら、日本の超現代的な文化にも深く根付いています。「おもてなし」という言葉は、なぜ日本人が互いに助け合い、お迎えするお客さまのことを大切にするかを示しています。』
と世界に向けて発信されていたことは、まだ記憶に新しいですね。
https://tokyo2020.jp/jp/presentation/#c5
(公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会ウェブサイトより一部引用)
品川区では、すでに区民の皆様、団体の皆様、区による活動が実施されています。
旧東海道周辺商店街の「英語少し通じます商店街」プロジェクトがその1つです。
「英語少し通じます商店街」プロジェクトは、商店街の店員が流暢な英会話を習得するのではなく、そのタイトルのとおり「少し」の英語に「おもてなし」の気持ちを込めて、外国人観光客を積極的に受け入れる雰囲気を地域全体で作り上げることを目的としています。
http://www.city.shinagawa.tokyo.jp/hp/page000021900/hpg000021876.htm
(品川区ウェブサイトより一部引用)
そのほかにも、青少年ボランティアガイド~外国人と学ぶしながわ新名所とおもてなしデー~、外国人おもてなしボランティア育成講座、今後は、しながわ水族館の「おもてなし」、日本庭園おもてなし 池田山公園の魅力向上、なども予定されています。
「おもてなし活動をさらに推進して、自主的な活動を応援してほしい!」
「私たちの活動を後押ししてほしい!」という区民の皆様からの声をいただいた私たちは、
勉強会を重ね、議員提案による条例制定によって、区民の皆様のご要望を実現したいと考えました。
私の住む小山・荏原の地域にも、そして、品川区全体にも、おもてなしの心を持った区民の皆様が多くいらっしゃいますが、「おもてなし」は、私たちの日常のなかに溶け込み、とても自然な形で存在していると感じています。
それは、本当に素晴らしいことだと思いませんか?
条例では、私たちのまち品川に根付く、おもてなしの心を明文化しています。
また、2020年には東京オリンピック・パラリンピック開催を控え、国内外から来訪するお客様が増えることが予測されています。
品川区が大好きな私は、今だからこそ、未来に向けて、品川に根付いている「おもてなしの心」という区の魅力を、区内にも、区外にも、そして、日本中、世界中へと発信していきたいと考えています。
そして、区内の学校ではすでに、品川区の歴史を学んだり、地域のことを学習する授業が展開されていますが、引き続き、次世代を担う子どもたちが自分の住む地域、品川区について学んでいけるよう、伝統文化等に関する教育活動の支援をしていくことなどを区に求めています。
先日、私は「西小山の歴史」を調べていらっしゃる区民の方にお話をお伺いいたしました。
西小山には昔、映画館があったことをご存じの方はいらっしゃいますか?
西小山の由来、昔の地図、三業地、商店街、ロケ地、ゆかりのある有名人や著名人など、興味深い内容ばかりでした。
私は、西小山の歴史を知ることで、地域への愛着が深まり、ますます西小山が大好きになりました。
こうした区民の皆様の活動を応援したり、区民の皆様、団体の皆様、区が共に手を携えながら、協力できたらという思いから「品川区おもてなし条例」を提案をさせていただきました。
品川区で、「こんなことにチャレンジしてみたい!」「この活動を応援してほしい!」という区民の皆様、団体の皆様のご意見、ご要望などがございましたら、SNS、メール、お電話、FAX等で、ぜひ、お気軽に、横山ゆかりまで、ご連絡ください!(お問合せ先はこちらです。)
以下、平成27年12月10日に、議員提案により制定されました、品川区条例第68号「品川区おもてなし条例」の公布文を引用いたします。
(今後、品川区例規集にも、条例が掲載される予定です。)
品川区おもてなし条例を公布する。
平成27年12月10日
品川区長 濱 野 健
品川区条例第68号
品川区おもてなし条例
私たちの住む品川区は、東京都の南東部に位置し、東京湾に面する臨海部と山の手に連なる台地から形成され、江戸時代から交易の拠点としてにぎわい、明治時代からは近代産業の発祥の地として発展してきました。
また、現在でも東海道新幹線が発着する品川駅、国内・国際航空路線の中心である羽田空港に近接し、東京の表玄関として多くの来訪者を迎えています。
品川区が、このまちに暮らす人はもとより、来訪者に愛される区となることこそが私たちの願いであります。
そのためには、私たち一人一人が区に対する誇りと愛着を持ち、おもてなしの心で来訪者を受け入れることが重要です。交易の拠点であった品川区には、長い年月を経ておもてなしの心が根付いています。品川区においておもてなし活動を推進することは、誰もが心地良く過ごせる豊かな地域社会の形成につながり、何度も訪れたいまち品川、住み続けたいまち品川の実現に寄与することになります。
私たちは、未来にわたり魅力ある品川区を目指すことを決意し、この条例を制定します。
(目的)
第1条 この条例は、品川区(以下「区」という。)におけるおもてなしに関する基本理念を定め、区の責務ならびに区民等および団体の役割を明らかにするとともに、おもてなし活動の推進により豊かな地域社会の形成を図ることで、何度も訪れたいまち品川、住み続けたいまち品川を実現することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
⑴ おもてなし 誰もが心地良く過ごせるように心を込めて接し、思いやりを持って振る舞うことをいう。
⑵ おもてなし活動 区民等が互いを尊重し合い、区に対する誇りと愛着を持ち、来訪者を温かく受け入れるための取組みをいう。
⑶ 区民等 区内に住所を有し、勤務し、または在学する者をいう。
⑷ 団体 区内で活動する法人、地域団体、教育機関その他の団体をいう。
(基本理念)
第3条 おもてなし活動の取組みは、区、区民等および団体の相互連携・協力により、区の自然、歴史、伝統、文化等(以下「区の伝統文化等」という。)に対して区民一人一人が理解と関心を深め、区に対する誇りと愛着を持つことが重要であるとの認識の下に推進するものとする。
(区の責務)
第4条 区は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、おもてなし活動に関する施策を講じるとともに、これを総合的に実施するものとする。
2 区は、区民等および団体によるおもてなし活動の促進のため、情報の提供、啓発活動、区民等および団体相互の連携の推進その他の必要な支援を行うよう努めるものとする。
3 区は、区民等、特に次代を担う子どもたちが区に対する誇りと愛着を持ち、おもてなし活動の担い手となるよう、学校、地域または家庭における、区の伝統文化等に関する教育活動を支援するよう努めるものとする。
(区民等の役割)
第5条 区民等は、基本理念にのっとり、自らがおもてなし活動の担い手であることを理解し、おもてなし活動の実践に努めるものとする。
2 区民等は、区が実施するおもてなし活動に関する施策に積極的に参加し、区と協働して地域におけるおもてなし活動を推進するとともに、区の魅力を発信するよう努めるものとする。
3 区民等は、次代を担う子どもたちに区の伝統文化等を継承するよう努めるものとする。
(団体の役割)
第6条 団体は、基本理念にのっとり、自らがおもてなし活動の担い手であることを理解し、それぞれの事業活動において、おもてなし活動の実践に努めるものとする。
2 団体は、区が実施するおもてなし活動に関する施策に積極的に参加し、区、区民等および団体相互で協働しておもてなし活動を推進するとともに、区の魅力を発信するよう努めるものとする。
付 則
この条例は、公布の日から施行する。